ガス検知器について
酸素(O2)について
酸素は空気中に、約21%含まれており、その酸素を使って人は生命を維持しています。
ところが換気不良なところ、酸素を消費したり、酸素をうすめたり、追い出したりする物質があれば酸欠が起こります
酸素欠乏(酸欠)の定義
| O2濃度 | 症 状 | O2濃度 | 症 状 |
| 21% | ![]() 自然酸素濃度 |
14〜9% | 意識もうろう、頭痛、吐き気、顔面蒼白 (チアノーゼ)、全身脱力 |
| 18% |
安全限界 連続換気が必要です |
10〜6% | 昏倒、意識消失、全身の筋けいれん |
| 16〜12% | 呼吸、脈拍数の増加、精神集中力の低下、頭痛、 耳鳴り、吐き気 |
6%以下 | 意識不明、昏睡、呼吸停止、心臓停止、 6分間で死亡 |
-酸欠の主な原因-
酸素の消費
金属の酸化、鉱石、土中鉄分の酸化、人の呼吸、穀物、果菜、木材等の呼吸、塗料・溶剤の酸化
不活性ガス・冷媒の流入
N2ガス(液体も含む)、アルゴンガス、CO2の流入、フロン等の冷媒ガスの流入・滞留
可燃性ガスが噴出
掘削中におけるメタンガス噴出、燃料ガス配管からのガス漏れ
毒性ガス(CO、H2S等)
毒性ガスは、吸引したり触れたりすると中毒症状や害を及ぼす気体です。代表的なものには、不完全燃焼で発生する一酸化炭素や、腐卵臭を持つ硫化水素があります。
危険なガスですが、それぞれのガス特性を生かして様々な産業で活用されています。
一酸化炭素(CO)について
一酸化炭素(CO)は、無色・無臭の有毒な気体です。
炭素を含む物質が酸素不足の状態で不完全燃焼を起こすと発生し、吸い込むと体内の酸素運搬能力を奪うため、一酸化炭素中毒を引き起こします。
中毒の初期症状は頭痛や吐き気などですが、意識を失い死に至ることもあり、特に閉鎖空間での火気使用時や排気ガスによる事故に注意が必要です。
CO濃度と呼吸時間および症状
| 濃度(ppm) | 作用又は毒性 |
| 100 | 数時間の呼吸でも目立った作用はない |
| 200 | 1.5時間前後に軽度の頭痛を引き起こす |
| 400〜500 | 1時間前後で頭痛、吐き気、耳鳴り等を起こす |
| 600〜1000 | 1〜1.5時間前後で気を失う |
| 1500〜2000 | 30分〜1時間前後で頭痛、めまい、吐き気が激しくなり、意識を失う |
| 3000〜6000 | 数分で頭痛、めまい、吐き気等が起こり、10〜30分の暴露で死亡 |
| 10000 | 直ちに意識喪失、死亡 |
硫化水素(H2S)について
硫化水素(H2S)は、腐った卵のような臭いを持つ無色の有毒な気体です。自然界では火山や温泉、人工的には下水処理場などで発生し、高濃度では嗅覚麻痺や生命の危険を引き起こす可能性があります。
硫化水素濃度と作用、毒性について
| 濃度(ppm) | 作用又は毒性 |
| 0.025 | 嗅覚で確認できる限界。但し個人差大 |
| 0.3 | はっきり臭う |
| 3〜5 | 中等度の強さの不快臭 |
| 10 | 眼の粘膜が刺激される下限。許容濃度 |
| 20〜40 | 強烈に臭うが、耐えられぬことはない。肺粘膜刺激の下限 |
| 100 | 2〜15分で臭覚が鈍ま。1時間で眼、気道の刺激。 |
| 8〜48時間の連続暴露で死亡することあり。 | |
| 170〜300 | 1時間暴露で重大な健康障害を起こさぬ限界 |
| 400〜700 | 30分〜1時間の暴露で生命の危険あり |
| 800〜900 | 速やかに意識喪失、呼吸停止、死亡 |
| 1000 | 直ちに意識喪失、死亡 |
可燃性ガス(CH4,H2等)について
空気中または酸素中で燃えるガスのことを「可燃性ガス」といいます。
可燃性ガスとは・・・
・爆発限界(空気と混合した場合の爆発限界をいう。以下同じ。)の下限が十パーセント以下のもの
・爆発限界の上限と下限の差が二十パーセント以上のもの
メタン(CH4)ガスについて
– メタン(CH4)ガスの性質と特徴 –
メタンガスは、無色無臭の可燃性ガスです。天然ガスの主成分であり、都市ガスにも利用されています
メタン(CH4)ガスの性質と危険性について
| 主な性質 | 無色気体、無臭 |
| 水、エタノール、エーテルに可溶 | |
| 比 重:0.6 | |
| 融 点:-182.5℃ | |
| 沸 点:-161.5℃ | |
| 発火点:537℃ | |
| 危険・有毒性 | 発火性・爆発性:空気と爆発性混合ガスを作る。 |
| 爆発範囲=5.0〜15.0% | |
| 人体への影響:メタン自体は無害であるが、空気中の酸素 濃度を低下させ酸素欠乏を起こす。 |
可燃性ガスの爆発濃度
燃焼(爆発)する濃度の範囲は、ガスの種類によってさまざまです。
爆発下限界(LEL)と、爆発上限界(UEL)の範囲で、ガスは燃焼(爆発)します。
可燃性ガスの爆発危険濃度管理には、特に爆発下限界(LEL)が重要です。

可燃性ガス下限界一覧
比重は空気機銃=1との対比
※印は空気比重=1に対する蒸気比重
| ガス名 | 比重 | 爆発下限界 |
| 都市ガス | 0.57~0.64 | 約4.5(vol%) |
| メタン | 0.55 | 5.0 |
| プロパン | 1.56 | 2.0 |
| イソブタン | 2.01 | 1.8 |
| 水素 | 0.069 | 4.0 |
| アセチレン | 0.90 | 1.5 |
| 一酸化炭素 | 0.967 | 12.5 |
| エチレン | 0.975 | 2.7 |
| ガソリン | 3~4※ | 1.0 |
| メチルアルコール | 1.11※ | 5.5 |
| トルエン | 3.14※ | 1.2 |
| ベンゼン | 2.77※ | 1.2 |
| アセトン | 2.00※ | 2.15 |
可燃性ガス、毒性ガス、酸欠の発生場所例
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意識もうろう、頭痛、
昏倒、意識消失、
呼吸、脈拍数の増加、
意識不明、昏睡、


