換気に関する基礎知識

1.換気の必要性

換気とは新鮮な空気を供給し、発生する粉塵や有害物質(二酸化炭素、窒素酸化物、硫化水素等)を安全な濃度まで希釈することである。トンネルやシールド、建築工事の地下部等の自然換気が不十分になる工事においては、送風機を用いた強制換気が必要となる。

出典:労働安全衛生規則(坑内の換気設備)

第602条 事業者は坑内の作業場においては、衛生上必要な分量の空気を坑内に供給する為に、通気設備を設けなければならない。ただし、自然換気により衛生上必要な分量の空気が供給されている坑内の作業場については、この限りではない。

2.換気の種類

3.強制換気の方法

換気ファンにビニール風管、スパイラル鋼管等を接続し換気する方法。トンネル工事において一番多く採用される換気方法。

(1)送気式

ファンを坑口付近に設置し、ファンの吐出口に風管を設置し、切羽に新鮮空気を送る換気方式。最近は送気式換気方法で、更に切羽後方の環境対策として、別途集塵機を設置する方式が多い。

(2)排気式

小断面トンネルで多く用いられている。ファンを坑内に設置し、ファンの吐出口側に風管を設置し風管を坑外までのばし切羽で発生した粉塵等を、風管を通して坑外へ排出する換気方式。設置スペース、騒音等の条件によっては、ファンを坑外に設置し、スパイラル鋼管等の鋼管を切羽側までのばし排気するケースもある。切羽側には、補助的に局所ファンを設置する。切羽で発生した粉塵等が排気ファンにより坑口側へ流出しないので後方環境が良いが、汚染空気が直接坑外へ排出されるという問題点もある。

(3)送排気組合せ式

道路トンネル等で多く採用されている換気方式で、切羽から離れた位置に排気ファンを設置し、排気ファン吐出口に風管を接続して坑外まで風管を延長する。切羽側で発生した粉塵等は風管を介して坑外へ排出される。切羽の換気は排気ファンと30~50mの間隔でラップして設置された送気ファンにより行う。排気ファン風量は、粉塵の拡散を防止するため、送気ファン風量の20~30%増とすることが望ましい。

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4.換気ファンの種類

特徴

大風量、中圧力(10kPa未満)

空気力学

回転エネルギーをインペラが角度をもって取り付けられていることにより軸方向のエネルギーに変えている。

遠心力ファン
(例:ターボブロア、ボルテックスブロア)

軸方向に吸い込み90度方向に吐き出す。

特徴

中風量、大圧力(10kPa以上100kPa未満)

空気力学

重量のある空気に回転エネルギーを与え、遠心力により90度方向に吐き出す。

5.換気で使用する単位

(1)風量

送風機が単位当たりに排気(または吸気)する風の意。
【単位:m3/min、m3/h】

 

(2)静圧

静圧=風の流れを妨げる力静圧が高いと風量は少なくなる。
【単位:Pa、kPa】

 

■圧力換算表

kgf/cm2atmPakPammAq
1 0.97 98,067 98.07 10×103
1.03 1(大気圧) 101,330 101.33 10332
10.20×10−6 0.99 1 0.001 0.1
10.20×10−3 9.87×10−3 1,000 1 101.97
0.1×10−3 96.78×10−6 9.8067 9.81×10−3 1

 

(3)騒音

騒音とは騒がしくて不快と感じる音である。同じ音でも心理状態や健康状態によって感じ方が異なる。
【単位:dB(A)】

 

■音の大きさとファン騒音値例

騒音値[dB(A)]状況ファン騒音値例
100 電車が通る時のガードの下  
90 騒がしい工場の中 コントラファン
80 電車の車内 ビッグログ110kW×2
70 騒がしい事務所の中 サイレントファン5.5kW
60 静かな乗用車 普通の会話 サイレントファン1.5kW
50 静かな事務所  

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